- 「フリーランスって消費税をもらってもいいの?」
- 「もらったとしたら、納税する必要はないの?」
普段何気なく支払っている消費税。
フリーランスになって受け取る側になると、途端にどう対処したらいいかわからなくなる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、フリーランス初心者が悩みがちな消費税の疑問について徹底解説していきます!
最後まで読めば、消費税を請求し忘れて損をしてしまったり、知らずのうちに脱税してしまったりといった心配がなくなりますよ!
フリーランスは請求書に消費税を乗せてもいいの?
結論から伝えておくと、堂々と消費税を乗せた額で請求してOKです!
なぜなら、買い物をする時お店に消費税を支払うように、商品(サービス)の購入時には必ず消費税がかかるから。
Webライターを例に挙げると、書いた記事が商品に該当します。完成した記事を納品するのは、取引先が商品を買ったのと同義。そのため、取引先から消費税を受け取るのは当然のことと言えます。
ずるいことではありませんので「なんか申し訳ないな…」と思わなくても大丈夫です。むしろ脱税にもなりかねませんので、必ず請求するようにしましょう。
内税・外税ってどういう意味?
請求書を作成していると、消費税の設定に「内税」「外税」という2つの項目があること気づくかと思います。
これらの言葉の意味は、簡単に言うと以下のようになります。
- 内税(うちぜい)
税込表記のこと。報酬額10万円の案件の場合、うち1万は消費税。 - 外税(そとぜい)
税抜表記のこと。報酬額10万円の案件の場合、消費税+1万で計11万入る。
このように同じ報酬額でも、内税か外税かで、手元に入るお金は10%分変わることに。上記の例だと、内税は1万円分損してしまいます。
取引先の中には、フリーランスなりたての無知に付け込んで、納品されてから「請求書は内税で!」なんていうところもあるかもしれません。
案件開始前には事前に報酬まわりについて打ち合わせを行い、内税・外税のどちらになるかはきっちりとすり合わせておくようにしましょう。
フリーランスはもらった消費税を納めなくていいの?
フリーランスが消費税を納める条件は、大きく分けて以下の2つです。
- 前々年1/1~12/31までの売上が1,000万円以上
- 前年1/1~6/30までの売上が1,000万円以上
これらに当てはまる人は「課税事業者」と呼ばれ、取引先から受け取った消費税を国に納めなければいけません。
売上1,000万円未満もしくは開業2年未満の人は「免税事業者」と呼ばれます。納税義務はないので、受け取った消費税はそのままサイフに入れてOKです。
なお免税事業者であっても「消費税課税事業者選択届出書」を提出することで、自ら課税事業者になることもできます。
課税事業者は納税の義務はあるものの、場合によって消費税の還付を受けられたり、巷で話題のインボイス制度で有利になったりするため、選択肢としてぜひ覚えておきましょう。
消費税の計算方法【2つ】
課税事業者になった場合に、納税する消費税額を計算する方法は2つあります。
- 本則課税方式
受け取っている消費税から支払った消費税を引いた額を納税する。 - 簡易課税方式
受け取っている消費税に「みなし仕入れ率※」という割合をかけた額を納税する。
売上5,000万円以下かつ「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出している場合に利用できる。
基本は本則課税方式で計算することになりますが、条件を満たせば簡易課税方式も利用可能です。
「簡易」と名がつくだけあり、受け取っている消費税さえわかってしまえば算出できてしまいます。
それでは例として「職業Webライター、1年間に受け取った消費税20万、支払った消費税15万」の場合の納税額を計算してみましょう。
- 本則課税方式の場合
計算式:受け取った消費税-支払った消費税
→20万-15万=5万円納税 - 簡易課税方式の場合
計算式:受け取った消費税-(受け取った消費税×みなし仕入れ率)
→20万-(20万×0.5)=10万円納税
簡易課税方式は簡単ですが、場合によっては本則課税方式より損してしまう場合もあるみたいですね。
どちらがお得かは一概には言えません。支払った消費税額を踏まえて、状況に応じて使い分けたいところ。
消費税の納税方法・期限
納める税額さえ計算できてしまえば、あとは確定申告同様オンラインや税務署等から申告可能です。
一番ラクで国も推奨しているのは、国税庁HPからe-taxに入って申告する方法。計算していおいた消費税額を入力すれば、自動計算で申告書を作成してくれます。提出もネットで完結しますので、仕事で忙しい中税務署に赴く必要がありません。
ちなみに、フリーランス(個人事業主)の消費税納付期限は、原則3/31までです。
「免税事業者」はずるい?消費税とインボイス制度の関係
売上1,000万円に満たない免税事業者は、取引先から受け取った消費税を自分のものにできると説明しました。
納税義務のある課税事業者や、そもそも消費税の生じる取引がない一サラリーマンの立場からすると「税金を自分のものにできる免税事業者はずるい」と思ってしまうのもうなずけます。
しかし、国(国税庁)としても「売上1,000万円以下なら消費税納税義務なし」として掲げてきたわけですから、別にずるいことをしたわけでも、法に反したわけでもないのです。
ましてや免税事業者はそもそももらえる報酬が少ないため、受け取れる消費税額も微々たるもの。
- 年間売上1,000万円(課税事業主)
消費税:100万円(納める必要がある)→利益900万円 - 年間売上300万円(免税事業主)
消費税:30万円(納めなくてもよい)→利益330万円
上記の通り、売上と消費税だけを考えた場合、課税事業者と免税事業者で利益の差は明らか。
免税事業者からしてみれば「限られた収入の中から、税金まで徴収するのはやめてくれ…」と思ってしまうのではないでしょうか。
2023年10月開始予定の「インボイス制度」は、そんな免税事業者にとって非常に厳しい制度なのです。
フリーランスの立場としては、以下のような影響が想定されます。
- 収入の少ないフリーランスが課税事業主になることを余儀なくされ、消費税の納税が発生してしまう
- 課税事業主にならないと、取引先から値引きを求められたり、最悪取引停止になってしまう
稼ぎの少ない中で消費税を納税するか、それとも収入を減らすか……そんな究極の二択を迫られることに。
現在免税事業者として消費税を受け取っている方は、今後どう動くべきかよく考える必要があります。
【まとめ】フリーランスの消費税について
この記事では「フリーランスの消費税」について、フリーランスなりたてのころに悩みがちな疑問をまとめて解説してきました。
ぜひこの記事の内容を参考に、堂々と消費税を請求して、しかるべき時にはきちんと納税できるように知識を蓄えていきましょう!
以下の記事では、これからフリーランスを目指す人に向けて「会社を辞める前にすること・知っておくべきこと」についても解説しています。ぜひ併せて読んでみてください。
(準備中:フリーランス 事前準備)
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