開業までの流れ|フリーランスになるまでにやるべきことを3STEPで解説

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退職した人
退職した人

会社を辞めたぞ!早速フリーランスとして事業に取り掛かろう。

筆者
筆者

ちょっと待って!会社を辞めたら必ずやっておくべきことがあるよ。国から数十万単位の資金補助だって受けられるんだ。

この記事では、会社を退職してからフリーランス(個人事業主)として開業するまでの流れを解説していきます。

結論として、最低限やるべきことは以下の3STEPです。

  • 退職したら国民年金国民健康保険への加入手続きを確実に行う
  • 失業手当or再就職手当を受給し、資金面での不安を最小限にする
  • freee開業などを使って、開業届その他必要書類を提出する

本記事で紹介する流れに沿って準備を進めていただければ、いざフリーランスとなってから面倒な手続き等に追われることなく、事業に専念できます。

STEP1.国民年金と国民健康保険に加入しなおそう

STEP1.国民年金・国民健康保険に加入しなおそう

日本は、年金保険および各種健康保険への加入が義務付けられています。

会社員の場合「社会保険(厚生年金・健康保険)」に自動加入し、毎月の給料から天引きされるため、気にする必要がありませんでした。しかし退職したタイミングで強制的に脱退させられ、いずれの制度も無加入状態となってしまいます

まずは「国民年金」と「国民健康保険」に加入しなおすところから始めましょう。

国民年金・国民健康保険の加入に必要なもの

国民年金と国民健康保険への加入は、いずれも「退職後14日以内」と定められています。手続きは同時に行うことができますので、特別な事情がない限り同日にまとめて済ませておくのがおすすめです。

必要なもの書類例備考
本人確認書類マイナンバーカード家族がいる場合は家族全員分持っていくこと
退職が確認できる書類健康保険資格喪失連絡票退職後しばらくしてから届く場合もある
期限ギリギリになりそうな場合は、離職票や退職証明書など
手元にある書類で手続き推奨。
子どもの医療証子どもがいる場合。
会社員のうちは社会保険に結びついているため、
退職タイミングで再発行が必要
年金手帳マイナンバーで年金情報を確認できるため
不要な場合も
印鑑不要な場合も多いが、あれば安心

退職当時、妻+2歳の娘との3人暮らしだった私が、手続きのために持っていったものは以下の通りです。

  • マイナンバーカード×3枚 (自分・妻・娘)
  • 健康保険資格喪失連絡票×1枚
  • 娘の医療証×1枚
  • 年金手帳×1冊 (妻のが見当たらず自分の分のみ。結果的に不要だった)
  • 印鑑 (不要だった)

【一例】国民年金・国民健康保険の加入の流れ

実際どのような流れで国民年金・国保の加入手続きが進んでいくのかを、私の実体験をもとに紹介していきます。

所属していた会社や住んでいる自治体によって異なる場合があるので、あくまで参考程度にしてもらえたら幸いです。

筆者が国民年金・国保に加入した際のフロー
  • 3/24(木)
    最終出勤日

    3/31付で退職にしていたが、有休が1週間分残っていたため24日が最終日に。
    この日に「健康保険資格喪失連絡票」原本を受け取る。

  • 3/31(木)
    退職

    健康保険の被保険者証×3枚(家族分)を郵送にて会社に返却。
    国民健康保険に加入するまでは、医療費が全額自己負担の状態。

  • 4/1(金)
    書類をもって市役所へ訪問

    市役所の国保年金課へ、用意した書類(前述)をまとめて提出。
    1時間程度で新しい保険証×3、子ども医療証×1が発行される。
    国民年金への加入も同時に完了し、手続きはいったん全部終了。

  • 5月中旬
    国民年金納付書が届く

    令和4年度分の国民年金納付書×2(自分・妻)が自宅に届く。
    年度途中での退職だったため、納付期間は5月~翌3月の11か月間だった。
    Pay-easyとクレカ前納を駆使して、5月末に1年分納付完了。

  • 7月中旬
    国民健康保険税納付書が届く

    令和4年度分の国民健康保険税納付書×2(自分・妻)が自宅に届く。
    年度途中での退職だったため、本来は年10回分届くところ8回分だけだった。
    PayPay請求書払いを利用して毎月納付。

筆者
筆者

私の会社の場合、離職票や退職証明書が2週間くらいしないと郵送されないとのことでした。その代わり「健康保険資格喪失連絡票」が退職時点で手元にあったので、それを利用した形です。

なお、国民健康保険にはいくつかの種類があります。何に加入するかで納付する保険料も変わってくるので、少しでも保険料を抑えたい人は以下の記事もチェックしてみてください。

知っておきたい「厚生年金と国民年金の違い」や、国民年金保険料の負担を最小限にする方法については、以下の記事で紹介しています。

STEP2.雇用保険を活用してスタートダッシュしよう

STEP2.雇用保険を活用してスタートダッシュしよう

ほぼすべての労働者は、生活および雇用の安定を目的とした給付が受けられる「雇用保険」に加入しています。

その中の一つ「失業等給付」は、国から資金面のサポートを受けつつ、フリーランスになるための準備を整えることができるありがたい制度。ぜひ活用したいところです。

使える給付は大きく「失業手当」「再就職手当」の2種類ですが、どちらを活用すべきかは人によって異なります。大まかな判断基準としては、以下を参考にしてください。

  • 失業手当
    退職してから本腰を入れてライター活動に取り組む人
  • 再就職手当
    会社員のうちに副業ライターとして活動していた人

ここでは、それぞれの手当てを受給するための手続き方法について解説していきます。

要確認:雇用保険で各種給付を受けるための条件

雇用保険による給付は誰でも受給できるわけではなく、以下のような一定の要件が設けられています。

  • ハローワークに来所し、求職の申込みを行い、就職しようとする積極的な意思があり、いつでも就職できる能力があるにもかかわらず、本人やハローワークの努力によっても、職業に就くことができない「失業の状態」にあること。
  • 離職の日以前2年間に、被保険者期間が通算して12か月以上あること。
    ただし、特定受給資格者又は特定理由離職者については、離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6か月以上ある場合でも可。
※引用:ハローワークインターネットサービス|基本手当について

入社1年以内に退職すると雇用保険の加入期間が12か月未満となり、給付は受けられないため注意が必要です。

健康体であるか」「入社1年以上経過しているか」最低限この2点を確認しておきましょう。

【失業手当】受給するための手続き

「失業手当」とは、求職活動や開業準備をしている期間の生活を保障するためのものです。

会社員時代の給料には及ばないものの、職がなくても毎月まとまった収入が入ってくるので、精神的に安定しながら各種準備活動を行なえます。

退職~受給までの大まかなフローは以下の通り。

失業手当受給までの手続き(自己都合退職の場合)
  • STEP1
    必要書類等の準備

    ・雇用保険被保険者証
    ・離職票Ⅰ
    ・離職票Ⅱ
    ・本人確認書類
    ・証明写真
    ・振込用の口座(通帳orキャッシュカード)
    ・筆記用具

  • STEP2
    ハローワークで受給資格を確認する

    前述した書類等をもってハローワークへ訪問
    手続き後「雇用保険受給資格者のしおり」をもらう

  • STEP3
    7日間の待期期間

    この期間は原則仕事禁止

  • STEP4
    雇用保険受給者 初回説明会

    ハローワークにて手当受給に関する説明を受ける
    持ち物→雇用保険受給資格者のしおり、筆記用具
    終了後「雇用保険受給資格者証」「失業認定申告書」をもらう

  • STEP5
    求職活動

    ハローワークを活用しつつ、求職活動を行う

  • STEP6
    初回の失業認定を受ける

    4週間に1度ハローワークへ訪問し、失業状態にあることの確認を受ける
    持ち物→雇用保険受給資格者証、失業認定申告書
    失業認定申告書には、4週間の求職活動状況を記載する

  • STEP7
    受給

    7日間の待期期間+2か月間の給付制限が終わると、支給が始まる。
    失業認定を受けた日数分、基本手当が振り込まれる。
    おおよそ失業認定日の1週間後に入金。

失業手当は、会社員として働いていた当時の給与などをもとに「日額」で算出されます。

給付を受けられる日数は、被保険者期間(≒勤続年数)で以下のように変動。

被保険者期間所定給付日数
~9年90日
10年~19年120日
20年~150日
※自己都合退職の場合
筆者
筆者

例えば、被保険者期間5年・手当日額5,000円だった場合

所定給付日数90日×5,000円で、合計45万円受給できるということです。

手続きなどは自治体により異なる場合がありますので、地域のハローワークに問い合わせてみるのが確実ですね。

【再就職手当】受給するための手続き

「再就職手当」とは、早期に安定した職につけた場合に、失業手当の何割かが一時金として受け取れるものです。

「再就職」という名前がついていますが、フリーランスとして開業した場合にも基本的には受け取れます。

自治体によって判断が異なる場合もあります。

退職~受給までの大まかなフローは以下の通り。初回の失業認定を受けるまでは、失業手当を受けるのと同様の流れです。

再就職手当受給までの手続き(自己都合退職の場合)
  • STEP1
    必要書類等の準備

    ・雇用保険被保険者証
    ・離職票Ⅰ
    ・離職票Ⅱ
    ・本人確認書類
    ・証明写真
    ・振込用の口座(通帳orキャッシュカード)
    ・筆記用具

  • STEP2
    ハローワークで受給資格を確認する

    前述した書類等をもってハローワークへ訪問
    手続き後「雇用保険受給資格者のしおり」をもらう

  • STEP3
    7日間の待期期間

    この期間は原則仕事禁止

  • STEP4
    雇用保険受給者 初回説明会

    ハローワークにて手当受給に関する説明を受ける
    持ち物→雇用保険受給資格者のしおり、筆記用具
    終了後「雇用保険受給資格者証」「失業認定申告書」をもらう

  • STEP5
    求職活動

    ハローワークを活用しつつ、求職活動を行う

  • STEP6
    初回の失業認定を受ける

    4週間に1度ハローワークへ訪問し、失業状態にあることの確認を受ける
    持ち物→雇用保険受給資格者証、失業認定申告書
    失業認定申告書には、4週間の求職活動状況を記載する

  • STEP7
    ハローワークへ開業する旨を伝える

    7日間の待期期間+1か月経過後に、ハローワークで「開業します」と伝える
    7日+1か月経過前に開業すると、再就職手当の支給要件に反する

  • STEP8
    開業

    税務署へ、開業に必要な書類を提出する
    基本は「開業届」「青色申告申請書」の2種類

  • STEP9
    再就職手当の申請

    無事開業が済んだら、以下の書類等をもって再就職手当の申請をする
    ・雇用保険受給資格者証
    ・再就職手当申請書
    ・開業届のコピー
    ・印鑑

  • STEP10
    事業の安定性確認

    支給要件の一つである「1年を超える事業継続が確実であること」を確認される
    実績を提示したり、クライアントとの契約書を求められたり。
    ハローワークの窓口で行われることもあれば、事務所(家)まで訪問されることも

  • STEP11
    受給

    支給要件をすべて満たしていれば、再就職手当の「決定通知書」が自宅に届く
    最初に提出していた振込用の口座へ、一時金の形で振り込まれる

受給できる金額は、給付日数が何日残っているかで変わってきます。早く開業したほうがお得です。

  • 所定給付日数を「3分の2以上」残して開業した場合
    →支給金額=手当日額×支給残日数×0.7
  • 所定給付日数を「3分の1以上」残して開業した場合
    →支給金額=手当日額×支給残日数×0.6
筆者
筆者

日額5,000円、給付日数90日の人で考えてみましょう。

60日(3分の2↑)残っている場合:5,000×60×0.7=210,000円

30日(3分の1↑)残っている場合:5,000×30×0.6=90,000円

ということになります。

本来再就職した人向けの手当であるため、フリーランスが受給する場合には手続きが少々込み入りがち。

しかし失業手当を受けるよりもスムーズに事業を開始させられるうえ、まとまった開業資金も手に入るので、使わない手はありません。

(準備中:【実録】再就職手当を実際に受け取るまでの道のり)

STEP3.いざ開業!必要書類を作成・提出しよう

STEP3.いざ開業!必要書類を作成・提出しよう

STEP2までの準備が済んだら、最低限やっておくべきことは完了です。

個人的にやり残したことがなければ、いよいよ開業手続きに入っていきましょう。

Webライターが開業する際に必須となる書類

開業時に提出する書類にはいくつかありますが、フリーランスWebライターが最低限必要なものは主に以下2点。

  • 開業届
    事業開始を税務署に届け出るための書類。罰則はないが法律で提出が義務付けられている。
  • 所得税の青色申告承認申請書
    青色申告で確定申告をするための必要書類。節税額が大きいため準必須。
開業時に最低限必要な書類
URL:https://advisors-freee.jp/qa/launch/7008

なお、人によっては以下のような書類を提出しなければいけない場合もあります。

ご自身に該当するものがないか、一度確かめてみてください。

人によって提出が必要になる書類
  • 青色事業専従者給与に関する届出書
    事業に専従する家族がいる場合の必要書類。一人事業であれば不要
  • 所得税の棚卸資産の評価方法・減価償却資産の償却方法の届出書
    事業を営む中で何らかの在庫を抱える場合に提出すべき書類。
    届出しておくと、確定申告時「節税に繋がる申告方法」を選択できるようになる。
  • 給与支払事務所等の開設届出書
    税務署に「源泉徴収義務がある」ということを知らせるための届出。
    従業員がいる場合には必須の書類。
  • 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
    源泉徴収税の納付作業の手間を毎月→年2回に低減できる。
    従業員がいる場合には提出したい書類。
  • 所得税・消費税の納税地の変更に関する届出書
    納税地を税務署に知らせるため、事業所や店舗を構える場合に必要となる書類。
    自宅で開業する場合には原則不要。

開業書類の作成方法

開業書類の作成方法は主に以下の2通り。おすすめはオンラインサービスを使う方法です。

  • 国税庁HPから必要書類をダウンロードし、書き方に沿って記入する
    開業届→原本はこちら。書き方はこちら
    青色申告申請書→こちら(書き方も内包)
  • オンラインの書類作成サービスを利用する おすすめ!

オンラインサービスを使えば、書類を印刷したり、自筆したりする必要なく、パソコンで必要情報を入力していくだけなので非常に手軽。

筆者
筆者

ガイドに沿って入れていくので、手書きで作成するよりも不備が発生しません。

いくつかあるものの、会計ソフトで有名な「freee」か「Money forward」が提供しているものが特に使いやすい印象。いずれも利用料は無料です。

開業後に使おうしている会計ソフトがある人は、開業届サービスもそれに合わせて選択するといいでしょう。

特にない人は、書類提出まで一貫して行える「freee」を選べばまず間違いありません

開業freeeの使い方は、公式ヘルプセンターの内容が親切でわかりやすいです。

⇒ freeeヘルプセンター|開業freee 使い方ガイド

開業書類の提出方法

開業書類の提出方法は3通り。特にこだわりがなければ、自宅から出ることなく手続きできるオンラインサービスの利用が断然便利です。

  • 税務署へ直接持参する
  • 税務署に郵送する
    ※提出先住所の検索は国税庁公式HPのこちらから
  • e-Tax(オンラインサービス)を使う おすすめ!

電子申請は、国税庁が提供しているソフト「e-Tax」を使うのが基本ですが、先述した開業freeeは作成した書類の提出までバッチリ対応しています。

開業freeeで書類を作って、そのまま開業freee上で提出、という流れが一番シンプルでおすすめ。

書類の提出には、マイナンバーカードおよびICカードリーダーが必要です。
ICカードリーダーは、カード読み取りに対応したスマートフォンで代用可能。

「開業届を提出しよう!」と思い立ったら、何はともあれ開業freeeに登録しておきましょう。

>>開業freeeで必要書類を作成する

(準備中:実際にfreee開業を使って開業届を提出するまでの流れ【失敗談あり】)

【まとめ】開業までの流れ|フリーランスになるまでの3STEP

開業までの流れ|フリーランスへの3STEPまとめ

この記事では「会社を辞めてから開業してフリーランスになるまでにやるべき3STEP」ついて解説してきました。

  • 退職したら国民年金国民健康保険への加入手続きを確実に行う
  • 失業手当or再就職手当を受給し、資金面での不安を最小限にする
  • freee開業などを使って、開業届その他必要書類を提出する

フリーランスになってからは仕事に追われる日々が続きます。

開業前にやるべきことを確実に済ませて、スムーズに事業を開始できるようにしておきましょう。

なお、フリーランスは年度末の確定申告に向けて、経理作業も自分で行わなければいけません。

領収書類を無くさず保管しておけるよう、以下の記事を参考に書類管理用のファイルも作成しておくと安心です。

(準備中:100均アイテムで領収書類の保管用ファイルを作ろう)

開業して晴れてフリーランスとなったら、いよいよWebライター事業開始に向けて動き出していきましょう!

未経験からでも効率よく仕事を取っていける「Webライターの始め方」は、以下の記事からご覧ください。

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